怪獣をモチーフに楽曲制作!
Amvition(アンヴィション)のSUMITOです。
さて本日のテーマは、みんな大好き!平成ゴジラvsシリーズです。
平成ゴジラが観たくなる!”5つのウラ話”
ワクワクするでしょう!?
以下の引用文献から平成ゴジラの舞台裏をご紹介します。
引用元:平成ゴジラクロニクル(2009年11月出版) 著者/編集 : 川北紘一
平成ゴジラvsシリーズの特撮に関するコンプリート本となっていて、1989年公開「ゴジラvsビオランテ/1989」から「ゴジラvsデストロイア/1995」までの撮影風景や解説、怪獣の絵コンテ、ゴジラを筆頭とした怪獣たちのスチール(写真)連発!さらには2009年に実施された制作スタッフさんたちのインタビューが“ものすごい量”で紹介されております!
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この本の中から、ゴジラvsシリーズ全作品の特技監督を務められた川北紘一氏インタビューを元に
“平成ゴジラが観たくなるエピソード”を5つ紹介していきます!
❶「ゴジラvsビオランテ」に影響を与えた出来事
平成vsシリーズ以前、川北紘一監督は「さよならジュピター/1984年」「ガンヘッド/1989年」でも特撮を担当されました。
そして、この2作の延長線上にあったのがゴジラvsビオランテでした。
宇宙モノのさよならジュピター・ロボットを扱ったガンヘッド。
これが“過去の東宝特撮にはないカラー”になっていたとのこと。
川北紘一監督は次のように語られています。
「いわゆる日本的なイメージの作品ではなく、アメリカの作品にも負けないのができるんじゃないか?そういう気持ちでチャレンジを続けてきたし、二つの作品がvsビオランテにフィードバックされている。」
引用元:平成ゴジラクロニクル(2009年11月出版) 著者/編集 : 川北紘一
こういう話を聞くと原点の2作品も気になりますよね!
❷「超ゴジラ」という新たなゴジラ像の確立!
「さよならジュピター」「ガンヘッド」で得たアイディアはゴジラ像を考えるうえで、とても重要なポイントに!
川北紘一監督は、これまでの昭和ゴジラシリーズにおけるゴジラは「どこか人間くさかった」と感じており、もっと動物的な原点に!と考えていたそうです。
猛禽類の茶色い鋭い眼と、頭もコモドドラゴン的な小さくて鋭くて、獰猛なイメージ。
※猛禽類とは、獲物を捕らえるために、その体を進化させた鳥の仲間のこと
そして、vsビオランテのゴジラは「超ゴジラ」というキャッチコピーが存在していたそう。
© 東宝
超ゴジラは単なる怪獣でもなければ、恐竜的なリアル志向なものではなく、
ファンタジックなものでなくちゃいけない。
「よくよく考えれば、ゴジラがいること自体が異常なんだから、リアルにこだわる必要はなかった。シリーズ通して一貫して踏襲できたと思っているが、実は真新しいわけでもなく、円谷英二さんや田中友幸さん持っていたもので、少しは表現できたかと」
引用元:平成ゴジラクロニクル(2009年11月出版) 著者/編集 : 川北紘一
”超ゴジラ”って、ビオランテに対するものだと思ってた(笑)
川北監督のゴジラに対する考え方が分かるエピソードですね。
❸ ビジネスモデルを確立した「ゴジラvsキングギドラ」の成功
作品評価が高いが興行的に振るわなかった「ゴジラvsビオランテ」。
その理由について川北紘一監督はビオランテの造型が難解で子供が描くことが難しい怪獣であったと言及されていました。
運命を左右した”人気怪獣アンケート”
実は「ゴジラvsビラオンテ」公開当時、人気怪獣アンケートが実施されました。
男子人気No1.は「キングギドラ」
女子人気No1.は「モスラ」
男子人気No1.=キングギドラ、女子人気No1.=モスラとなり、
第一に立ち上がった企画案はモスラを主役とし、新怪獣バガンを登場させる「モスラvsバガン」というものでした。
しかし、以下の理由から「ゴジラvsキングギドラ」企画が決定しました。
- どうしてもゴジラを出演させたい
- 新怪獣ではインパクトが弱い=男子人気No1.キングギドラを戦わせよう。
「ゴジラvsキングギドラ」への熱量!
認知度が高く、前作の弱点は補える。
そして、キングギドラというキャラクターを活かそうと構築したドラマこそが
タイムパラドックスを用いた、ルーツシリーズだった。
特に監督は、ラゴス島での新堂(演:土屋嘉男氏)とゴジラザウルスのシーンが大好きだそう!!
© 東宝 「ゴジラvsキングギドラ」より
更に力を入れたのは観客動員を視野に入れたビジネス展開。
キングギドラが九州を襲うということで、それを利用してエキストラ募集を地元のテレビ局、ラジオ局、新聞まで総動員し、何度もメディアで取り上げられ、撮影後まで大きな宣伝効果が生じた。
それを日本を縦断する形で実行し、襲われる街の看板とかでタイアップをとったり、要素をばらまきながらのロケを展開した。
結果、「ゴジラvsビオランテ」でシリーズの方向性が決まり、「vsキングギドラ」でビジネスモデルがはっきりとした。
その効果は次回作の「ゴジラvsモスラ」に現れ、シリーズ最高の興行をたたき出した。
「ゴジラvsキングギドラ」の動員数270万人に対して、
次回作「ゴジラvsモスラ」は420万人。
この話を伺うと”ナルホド”となりますね!
❹”命のリレー”というテーマが存在した!
東宝特撮には伝統があり、それを守った川北紘一監督。
円谷英二さんの時代から「子供に夢を与える怪獣があまり痛々しい姿を見せてはいけない」という考えがあり、シリーズを通じて怪獣に血を流させないことを意識したそうです。
「ビオランテでは体液というか、樹液のようなものをスプラッター的に、ちょっとくらい方向で見せたけれども、それはバイオテクノロジーによって細胞をコントロールする、という設定にどちらかというとマイナス的な要素を感じたから。」
「それ以降は、とにかく意識的に流血を排除して、金粉などでファンタジックに表現するようにしたかった。あとは戦争じゃないんだから、人が死ぬ描写も極力、避けた。」
引用元:平成ゴジラクロニクル(2009年11月出版) 著者/編集 : 川北紘一
こうしてインタビューを拝見すると、
最新作「ゴジラ-1.0」とは正反対のベクトルを感じますね。
このふり幅もまたゴジラの魅力と言えますね!
“唯一の例外”から感じられる「vsシリーズのテーマ」
ゴジラvsメカゴジラにおける、ショックアンカーにやられたときにゴジラだけは例外でした。
ここでは、命あるもの(ゴジラ)と命のない機械(メカゴジラ)の対比をみせるため、赤い血を少々利用した。
そのあたりの命についての描き方は、シリーズ通じてのテーマ「命のリレー」だった。
命を与えていく姿。”一貫して命のやり取りが描かれたシリーズ”それが平成ゴジラなのです。
➎ ”超ゴジラ”の終焉は川北監督の美学!
実はvsデストロイアの後も続けることができた。
「トライスター版ゴジラ(GODZILLA/1998年)が動き始めたとき、アメリカ側は「こちらは世界がマーケットなので、日本向けの作品は作り続けてもいい」と言ってきたんだけど、ここは一旦、終わらせた方がいいな、と。
ちょうど戦後50年目の年だったし、「ゴジラ死す」という大命題を提案したのも僕だしね。」
「本当は映画のタイトルを「ゴジラ死す」にしたかったんだけど、やはり、そこは『vsシリーズ』としてやってきたんだから変えられない、と。それは残念だったけどね。」
引用元:平成ゴジラクロニクル(2009年11月出版) 著者/編集 : 川北紘一
本当は映画のタイトルを「ゴジラ死す」にしたかった、と!
これは貴重なお話( ..)φメモメモ
ゴジラも最後は命のリレーを行い、これ以上ない、あのタイミングでよかったと思っている、と仰られており、いちファンの個人的な意見として、私もそう思っています。
ということで本日は「平成ゴジラが観たくなる!”5つのウラ話”」をお届けしました!
つくづくゴジラって、ただ暴れるだけの怪獣映画じゃないなぁ、と感じさせてくれるエピソードでしたね☆
以上!
最後に。
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